糸こんにゃくとしらたきの違い
糸こんにゃくとしらたき。その違いをご存知でしょうか。なんとなく色の白いものを「しらたき」、黒いものを「糸こんにゃく」と呼び分けている方も多いのではないでしょうか。実は、現在では「糸こんにゃく」と「しらたき」は全く同一のものなのです。どちらもこんにゃく芋をすりつぶしたものか、こんにゃく粉に凝固剤を加えた後に細い穴から押し出して作ります。「糸こんにゃく」より細いものを「しらたき」と呼ぶ場合もありますが、特に規定があるわけでもありません。また、黒い「しらたき」も、色の白い「糸こんにゃく」もあるので、色で分けられているわけではありません。
しかし、昔は違いました。「しらたき」は今と同じようにこんにゃくが糊状のときに小さな穴のある筒状のものから押し出す形で茹でて作られました。その様子が「滝」に似ていたことから「しらたき」と呼ぶようになったのです。一方「糸こんにゃく」は板こんにゃくを細長く切り、「糸状」にしたものを指しました。江戸時代のころ、関東では主に「しらたき」が、関西では「糸こんにゃく」が好まれていました。つまり元々「糸こんにゃく」と「しらたき」は違う食べ物だったのです。その名残でしょうか。板こんにゃくを切る「糸こんにゃく」がなくなった今でも細長いこんにゃくを関東では「しらたき」、関西では「糸こんにゃく」と呼ぶことが多いです。結果から言えば、地域による呼び名の違い、ということになるでしょう。
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