こんにゃくで変わった日本食の歴史
こんにゃくの原料となる植物はすでに縄文時代には日本に伝わっていたようです。ですからかなり古くからの歴史を持っているのです。しかし本当に 食用となったのは奈良時代で、当時の文献に灰汁と一緒に煮て食べた記録が残っています。その後、貴族や僧侶の間で医薬品や間食として利用され、鎌倉時代以降に庶民も楽しむ食品となったのです。
室町時代に入ると路上で軽食として売られるようになり、精進料理にも使われるようになります。安土・桃山時代には変わりこんにゃくが生まれ、江戸時代ではこんにゃくを粉末にしたことで、もっと簡単に作る製法が発見されました。
明治時代以降はさらに全国に流通が広まり、大正時代に現在のこんにゃくの形状としてようやく完成します。つまり、あのぷるぷるとしていて、歯ごたえのいい形状のこんにゃくです。すでにこの時代になると、庶民には欠かせない食品になっています。
しかし第二次大戦末期には食用よりも風船爆弾の糊に使われたり、食糧不足解消のためにこんにゃく芋畑を潰してサツマイモの栽培に当てられるという状態にもなりました。こんにゃくの生産が復旧したのは戦後まで待つことになります。
昭和から平成にかけては、こんにゃくの歴史でも新しい食べ方が発展していく時代になります。それは健康ブームとダイエットブームです。ノンカロリーで歯触りも腹持ちも良く、さらに腸内環境を整える整腸効果が女性たちの人気を集めます。安全性を向上させるために改良を重ねたこんにゃくゼリーはその代表と言えるでしょう。
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