実は難しいこんにゃくの栽培について
こんにゃくは、こんにゃく芋というサトイモ科の植物が原材料となりますが、実は、こんにゃく芋はデリケートな作物なのです。タネ芋から育てるこんにゃく芋ですが、収穫できる球茎に育つまでは3年必要になります。春に植えますが寒さに弱い為、秋に一度収穫し大切に保管。そして翌年の春にまた植えて、秋に収穫。これを繰り返し、大きい球茎で600gほどに成長します。
手間のかかる栽培方法ですが、これはこんにゃく芋が寒さに弱い特徴がある為です。気温13度を下回ると傷んでしまうのです。また、こんにゃく芋の葉に傷が付いてしまうだけで、そこから病気になってしまい、結果的に腐ってしまいます。ですので、土の中で越冬が出来ません。さらに収穫から翌年の春まで保管しておく間も温度管理などを徹底しないと傷んでしまいます。さらには日照時間が長すぎたり短すぎても悪影響になりますし、育てる土壌の環境が悪くても育ちません。現在は安定した栽培方法が確立してはいるものの、その方法が確立されたのは昭和30年頃と最近のことなのです。デリケートなこんにゃく芋は、そのあまりに難しいことから運玉と呼ばれていたと言われます。
日本にこんにゃくが渡来したのは平安時代。元々は精進料理として貴重な食品でしたが、こんにゃくが世間に広まり、庶民に食べられるようになったのは江戸時代後期と言われています。そこから安定して栽培が確立するまで約100年近くの月日が過ぎているのです。どれだけ栽培が難しいかを時代が証明していると言えるでしょう。
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