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なぜおせちにこんにゃくを入れるの?

昔と違って、家で毎年おせちを手作りするという家庭は少なくなりました。ですがおせち全部を用意しなくても「お煮しめだけは作る」「栗きんとんだけは用意する」というご家庭は少なくありません。お節料理の起源は古く、奈良時代までさかのぼります。さまざまな願いを込めたり、縁起物の料理をつめたおせちはただの料理ではなく、日本の文化です。

おせち料理に欠かせないお煮しめ(筑前煮)には、必ずといっていいほどこんにゃくが入っています。旬の根菜をたっぷり使ったお煮しめは、古来から伝わる伝統的家庭料理です。ゴボウやにんじん、サトイモなどの根菜類、手綱結びにしたこんにゃく、シイタケや鶏肉などを一つの鍋でじっくりと時間をかけ、煮汁が無くなるまでくつくつと煮ることから「家族が仲良く一つに結ばれますように」という願いが込められています。

お煮しめに入れるこんにゃくは、真ん中に切り目を入れてねじった手綱こんにゃくです。こんにゃくに作られた結び目と縁結びをかけて、夫婦円満を表したり、良縁成就を願ったりする縁起物です。

手綱こんにゃくには、もう一つ意味があります。手綱は文字通り馬の手綱を表しています。武家社会の名残で、馬の手綱を引き締めてコントロールし、戦いに備えるように、おのれの心を引き締めるという自戒の意味が込められています。新年を迎え浮かれ気分でいるだけでなく、気を引き締めて気持ち新たにスタートを切るといった意味でしょう。

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